「英語で学ぶ」国内大学、「国際化」の流れ

 最近、日本国内の大学において、英語で学べる大学や学部・学科、コースが増加しています。なぜこのような流れが加速しているのでしょうか? その理由は大きく二つあります。以下に記します。

1. 海外大学に行きたいけれど、少し躊躇してしまう…国内需要への対応

 現在の世界では、一つの国のみで閉じた経済や様々な体系はもはや難しく、世界の各国や各地域は互いに補完しつつ、繋がっています。その繋がりの程度は近年さらに加速していて、言うまでもなく日本も例外ではありません。

 つまり、今後の社会で活躍するには、広く世界とつながる国際性が一層、大事になっています。そのため、近年は東京などでは、世界と広く繋がるために海外大学への進学志向が高まっています。

 ただし、国内の大学と異なり、海外大学は、具体的な大学の教育内容や、入試についての情報が不足していたり、または、そもそも海外に出て大学に進学すること自体に不安を感じてしまう、さらには費用の点でも国内より高いことが少なくないため、躊躇してしまう高校生も少なくありません。

 それでも、国際性のある大学に進学したいと希望した際に、英語で学べる国内の大学・学部・学科が選択肢として浮上するのです。国内にあるために、様々な情報も入手しやすく、さらに海外渡航費や為替変動による学費の高騰などの心配もしなくて済むというメリットがあります。

 また、武蔵大学のロンドン大学とのパラレルディグリーや昭和女子大学や立命館大学のダブルディグリーなど、日本の大学と海外の大学の学位を同時取得できる大学も同様に魅力的です。特に、武蔵大学は、海外に行かずに江古田のキャンパスだけでロンドン大学の学位が取得できます。また昭和女子大学で、ダブルディグリー先を同キャンパス内にあるテンプル大学を選択した場合も、国内だけで完結します。

 このテンプル大学は日本国内にあるアメリカの大学であり、ここに直接入学する方法もあります。

2. 海外からも来てほしい…国際化を見据えた需要に応えて

 今後日本では、少子化が進行していくために、日本の大学は、入学者数の確保という点においても、研究の進展という点でも厳しい状況となります。そのため、募集を国内だけに限らず、世界から募集することが必要となってきます。その際、大学・学部・学科が英語で学べることは国際化においてとても大事な要素となりえます。

 つまり、国内における英語で学べる大学・学部・学科の登場は、その流れでもあります。実際、前述したテンプル大学は、アメリカなど海外からの入学生がとても増加しているため、東京都世田谷区のキャンパスだけではなく、2025年には京都キャンパス、そして2026年秋には川崎(溝の口)にさらにキャンパスが登場します。

 実は、このような英語で学べる大学は、世界で増加している。例えば、オランダなど、英語を母語としない大学でも英語で学べる大学が増加しているのです。

井上 修

International Education Lab 教育アナリスト/上席研究員
茗溪学園 校長補佐

『進学レーダー』や日能研の媒体を通した発信、週刊東洋経済、サンデー毎日、週刊ダイヤモンド、エコノミストなど各雑誌、アエラウイズキッズなどWEB媒体などでの寄稿、インタビュー記事など多数。各大学や私立中高一貫校、そして公立高校で、保護者、教員対象の教育講演会も多数。

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